寝違え

朝目覚めるとともに首にピリッとしびれるような激痛が走ったら、それは寝違えを起こしてしまったのかもしれません。
寝違えはおもに寝るときの姿勢や寝る場所、身体に合わない寝具などがきっかけとなって起こることが多いです。

症状の程度には個人差がありますが、首を動かせないほどの痛みが長期間続く場合は別の病気も考えられます。
ご自身の首の痛みが寝違えによるものなのかチェックしてみましょう。

寝違えはおもに関節や筋肉の損傷が原因だと考えられています。

●寝るときの姿勢

寝るときの姿勢が悪いと、僧帽筋や板状筋などといった首の筋肉に大きな負荷がかかり、寝違えを起こしやすくなるといわれています。
特に疲れが溜まっているときは、十分な寝返りを打つことができず、無理な姿勢が長時間続きやすくなってしまいます。

●寝る場所

ソファーやこたつ、床など不安定の場所で寝てしまうと、首に負担がかかりやすくなります。
深酒をしたときに変な場所で寝入ってしまうという方は特に注意が必要です。

●寝具

高さの合わない枕が首に負担をかけていることもあります。
また、柔らかすぎるマットレスや布団も寝返りを妨げ、寝違えの発症リスクを高める場合があります。

●筋肉の柔軟性の低下

首の筋肉がこっていると、少し首を捻っただけでも組織が傷つき、寝違えにつながります。
特に運動不足の方やデスクワーク中心の方は首の筋肉の柔軟性が低下しており、寝違えを起こす可能性が高い傾向があります。

また、運動をしている方でも左右の筋肉がアンバランスな状態となっていると、うまく首を支えることができず、寝違えてしまうことがあります。

●食生活の乱れ

寝違えは食生活の乱れとも関連があるといわれています。
肉や魚に含まれるタンパク質は、筋肉をつくる上で欠かせない栄養素です。

タンパク質を十分に摂取できない場合、筋肉が丈夫になりにくいため、ささいな動きでも首の筋肉が傷つき、寝違えにつながります。

●首の痛み

寝違えは、特定の方向に首を動かすと痛みが強く現れる傾向があります。
しびれるようなピリッとした痛みを感じることが多いです。
痛みの程度には個人差がありますが、数時間から数日かけて落ち着いていきます。

●しびれ

ひどい寝違えの場合は、安静にしていても首が痛み、しびれを感じることがあります。

寝違えと思っていても別の病気が潜んでいることもあります。
寝違えと同じような症状が起こる病気をご紹介します。

●頚椎症性神経根症

頚椎症性神経根症（けいついしょうせいしんけいこんしょう）は椎間板が変形し、神経が圧迫されることで生じる病気です。
首を後ろに反らせたときに痛みが強くなるという特徴があります。
痛みの程度は人それぞれですが、肩から腕にかけてしびれを伴うこともあります。

●頚椎症性脊髄症

頚椎症性脊髄症は、頚椎の脊柱管の中にある脊髄が圧迫されることで生じる病気です。

手先が不器用になったり、足がもつれやすくなったりなどの症状が現れます。

●関節リウマチ

関節リウマチは、免疫系の異常によって全身の関節が腫れたり痛んだりする病気です。
熱っぽさやだるさ、食欲不振などを伴うことが多いといわれています。

●脊髄腫瘍

頚椎の脊柱管内に腫瘍ができると寝違えのような症状を感じる場合があります。
しびれや筋力の低下、感覚障害なども生じます。

寝違えは急性期と慢性期に分けることができます。
それぞれの時期によって患部を温める、冷やすなど適切な対処方法があります。
間違った対処法を行うと、症状が悪化する可能性がありますので、時期に応じて正しく対処できるように備えておきましょう。

また、寝違えは根本的な原因を解決しないまま放置すると、何度も繰り返してしまう場合があります。
ご自身のライフスタイルに目を向け、何が寝違えの原因になっているのか考え、対策を取りましょう。

寝違えは激しい痛みを伴う発症直後の急性期と痛みが落ち着く慢性期に分類されます。

●急性期の対処法

・冷やす

寝違えは炎症の一種です。
痛みがある場合は湿布や保冷剤などで冷やし、炎症の拡大を防ぎましょう。
鎮痛消炎効果を有する成分が含まれた湿布には、一時的に痛みを軽減する効果も期待できます。
しかし、根本的な原因は解決していませんので、無理は禁物です。

・安静にする

痛みがあるときに自己流のマッサージやストレッチを行うと組織の損傷が広がり、かえって痛みが増す可能性があります。
無理に動かさず、安静を心がけましょう。

電車・バスで通勤している方は特に注意が必要です。
電車やバスが激しく揺れると首に大きな負担がかかり、悪化する可能性があります。
できるだけ席に座れる時間帯に通勤し、首を手で抑えるなどして首への衝撃を減らしましょう。

●慢性期の対処法

・温める

痛みが落ち着いてきたら温めましょう。
温めることで血行が良くなり、痛みの緩和効果や早期回復が期待できます。
患部を蒸しタオルで温めることはもちろん、全身を温める入浴も効果的だといわれています。

・ツボを刺激する

背中にある「天宗（てんそう）」というツボが寝違えに効くといわれています。
天宗は肩甲骨の中央付近にあります。
床に仰向けに寝転がり、ボールをコロコロさせながら肩甲骨まわりを刺激してみましょう。

●就寝時の環境を見直す

・枕

高さの合っていない枕を使うと、首や肩の筋肉に大きな負担をかけてしまいます。
理想的な枕は、マットレスと首筋の間にできる空間が埋まる程度の高さだといわれています。
枕を買い換えることが難しい方はタオルを重ねたりして高さを調節してみましょう。

・マットレス

マットレスが柔らかすぎると身体が沈みこみ、寝返りが打ちにくくなります。
身体にかかる圧力を適度に分散する低反発のマットレスが寝違えの予防につながります。

・温度

室温が低いと身体がこわばり、寝違えが起こりやすくなります。
冬場の室温は20℃〜22℃程度が理想的です。
暖房と掛け布団を活用し、身体を温かく保ちましょう。

●深酒しない

深酒すると寝返りが少なくなり、首への負担が集中する可能性があります。
また、ソファーや床などベッド以外の場所で無理な姿勢で寝入ってしまうリスクもあります。
お酒の飲み過ぎには注意し、酔いを醒ましてから布団に入るようにしましょう。

●首のストレッチを行う

運動不足やデスクワークが寝違えの原因となることもあります。
日頃から首のストレッチを行う習慣を付け、首の柔軟性をキープしておきましょう。

私たちは不自然な姿勢で眠っていれば自然と寝返りを打ちます。
しかし何かの原因により寝返りがうまく行われていないと「寝違え」が発生する場合があります。

「寝違え」が起こる原因としては、「寝返りを打たないくらい、疲れがたまって深い眠りについている」か「寝返りが起こりにくい環境で眠っている」ことが考えられます。

また、寝違えは何度も繰り返してしまう方もいらっしゃいますが、そのような方は「元々の頚の背骨の動きが悪くなってしまっている」場合もあります。

枕の高さやベッドなどの環境に、正常な身体の状態であれば対応出来るものが
元々の姿勢の悪さや筋肉の緊張によって頚の動きが乏しくなると、環境に対応できずに寝違えを起こしてしまうのです。

ビオス整骨院の施術コンセプトは「根本から改善」です。
表面的な症状の改善だけではなく、姿勢の評価・改善、姿勢を支えるインナーマッスルの強化を行い、つらい寝違えの症状も根本から改善を目指します！